Crystal Radio & Germanium Radio 
Crystal Radio 鉱石ラジオ(こうせきラジオ)とは、方鉛鉱などの鉱石の整流作用を利用したAMラジオ受信機のことである。真空管ラジオが普及する以前に広く用いられた。現在でも、当時の機器を模したキット等が発売されており、科学実験の素材として人気がある。(出典: フリー百科事典ウィキペディアWikipedia)
 
2006年3月12日 AM波形 アンモナイト追加
2006年12月17日 東京ミネラルショー追加
 
Crystal Radio
完成!大人の科学Vol.4ラジオキット
 
Crystal Radio
1次コイル、バリコン、2次コイル、鉱石検波器、イヤホンの構成
 
Close-up of Antenna Coil
浮遊容量を少なくするため、互い違いに交差させてコイルを巻く、ハニカム巻と言う.
 
Crystal Detector
鑛石(磁鉄鑛)で檢波する
 
学研 科学と学習 科学付録教材
実家に残っていたものを発見救出およそ30年前のもの.4種類検波作用にある鉱石が納めらている。小林健二氏よりこのシリーズは5タイプあると教えて頂いた.
 
3 磁鉄鉱 Magnetite 感度57 Magnetite
石炭のように黒く鈍く光る結晶で感度は良く、検波ポイントも多い、探り式検波器として適している.

「鉱石感度」
出典:大正十四年十一月日本ラヂオ協会発行オーム社印刷「ラヂオの日本」第一巻第一号二十四頁電気試験所第五部長小川若三郎<鉱石について>「電気試験所研究所研究報告第十三号抜粋」(明治40年から42年逓信省鳥潟博士による鉱石感度測定実験報告)第一表感度優秀なる鉱石表より引用
<参考>
第二表紅亜鉛鉱との組み合わせたる検波器の感度表より。黄銅鉱100,班銅鉱100,毒砂100,磁黄鉄鉱94,方鉛鉱94,黄鉄鉱94 組み合わせる鉱石は電気抵抗の小さいものが良く、この場合の電極は銅が良い.
 
4 閃亜鉛鉱 Sphalerite 感度65
検波できるらしいが? ほかの鉱石と入れ替わってしまった?
 
5 方鉛鉱 Galenaガレナ PbS 感度75
鉱石ラジオの検波用鉱石といえば方鉛鉱.他の鉱石に比べ感度がよく入手が容易.産地は岐阜県神岡、米国オクラホマなど.感度が良く入手も簡単なため、鉱石検波器に多く用いられている.検波ポイントが多く、比較的感度が安定している.ダイオードと同等の検波感度を持つ.

  方鉛鉱にタングステン針を当てて探る
 
6 黄銅鉱ChalcopyriteチャルコパイライトCuFeS2
金?黄鉄鉱ににた外形をしているが、黄鉄鉱よりも若干黄色い鉱石である。感度は良好だが検波ポイント少なめ。
 
15 雲母
真空管時代の重要なマテリアルであった雲母.その名の通りマイカコンデンサ、真空管内部の支持材(このホームページの<TUBE>12SA7-GT参照)、パワートランジスターの絶縁に用いられている雲母もこの標本箱に収められている
 
大人の科学 マガジン Vol.4 付録
大人の科学マガジンVol.4鉱石ラジオに付属していた鉱石.大人の科学にしては鉱石の大きさが小さい.
 
黄鉄鉱 Pyrite パイライト FeS2 感度64
感度は方鉛鉱と遜色ない.産地は岩手県仙人鉱山、米国ユタ州など.鉱石検波器の多くに使用されている。熱に強い.
磁鉄鉱 Mangnetite 感度57
石炭のように黒く鈍く光る結晶で感度は良い。検波ポイントも多い、探り式検波器として適している.
 
Zinc Oxide ZnO ポーランド産 感度86 天然のアール・デコ

酸化亜鉛工場の煙突内部に生成したZinc Oxide(ZnO)の結晶です。紅亜鉛鉱 Zincite/ジンサイトと同じ。半導体の性質があるためラジオ鉱石として用いられる。Zinciteは、変成石灰岩および亜鉛鉱に産出する鉱物。六方晶系の六角錐状の結晶体で発見されることもあるがごく稀。色は、純粋なものは無色で透明ないし不透明。産地がニュージャージー州のスターリングヒルとフランクリンの隣接した2つの鉱山だけとされていたが、今から約100年前に、ポーランドのジンク鉱山で鉱物が燃えた際に偶然に作り出された、これをポリッシュ・ジンカイトという。黄銅鉱との組み合わせ(感度100)を今後試してみたい。
上:振幅変調波(高周波RF 搬送波1000kHzを変調信号480Hzで変調)

下:紅亜鉛鉱(Zinc Oxide ZnO)に燐青銅の探り針をあてて検波した波形。検波ポイントを慎重に探るものの検波出力(低周波AF)は逆方向特性が悪く高周波RFの漏れが多く安定しない。ただ、クリスタルイヤホン(セラミックイヤホン)では、高周波成分は通過し、低周波成分が振動版を振動させ立派に音声として聞くことができるので実用可能。
上:搬送波(CW) 1000kHz(無変調)

下:検波出力無信号
上:振幅変調波

下:ゲルマニウムダイオードで検波した波形。安定した検波出力が得られている。

使用測定器
信号発生器:STAR MODEL TO−1
オシロスコープ:LEADER LBO-524

STAR MODEL TO−1を使用したが搬送波、変調信号にひずみがあり、変調度も浅かった。しかし、検波作用の有無の確認には十分に活用できた。
 
学研 科学と学習 科学の付録教材
これも実家で発見救出.茶色く小さなタマはボーキサイト、「ぼくらの鉱石ラジオ」小林健二氏の作品にもこの透明筒ケースの状態で「鉱石標本式受信機」の一角に収まる.
 
黄銅鉱Chalcopyriteチャルコパイライト
CuFeS2
原産 New Mexico, U.S.A TOKYO SCINCE CO.,LTD \315(税込み)
 
黄鉄鉱化アンモナイト 天然のアール・デコ
 ロシア産の黄鉄鉱(パイライト)化アンモナイト、ロンディセラス(Rhondiceras)の化石。片面を研磨して削り取ってある。黄鉄鉱化された美しい模様があり、また、中は小さな結晶がきらきら光り輝いている。
 完全にパイライト化した珍しいアンモナイトで化石コレクターにもジュムストーンコレクターにも人気が高い。
 ジュラ紀は、2億1000万年から1億4000万年ぐらい前で、アンモナイト亜綱が大繁栄を始めた時代。この時代のものではヨーロッパとロシアからの産出が多い。
 
TOKYO MINERAL SHOW 2006 http://www.tokyomineralshow.com/
化石・鉱物・隕石・宝石の大展示即売会 世界のディーラー200社が集う国内最大級のリテールショー

平成18年12月15日(金)〜18日(月)4日間
午前10:00〜午後6:30(最終日午後4:00)
一般800円/学生500円/中学生以下無料
(4日間通し・公式ガイドブック付)
 
黄鉄鉱と閃亜鉛鉱の共生 天然のアール・デコ
Pyrite 黄鉄鉱  FeS2

Sphalerite 閃亜鉛鉱 ZnS 
亜鉛のと硫黄が結び付いた鉱物
写真の物は鉄を多く含む鉄閃亜鉛鉱
http://www.h2.dion.ne.jp/~ice/hp2/index.htm

Huaron Peru

(有)クリスタル・ワールド 京都市 TEL:075-257-3814 で購入
1,890円
 
on Quartz 水晶と黄鉄鉱 天然のアール・デコ
Pyrite on Quartz 水晶と黄鉄鉱
Huaron Peru

(有)クリスタル・ワールド 京都市 TEL:075-257-3814 で購入
1,575円
 
Pyrite

パイライト Pyrite 黄鉄鉱 FeS2 産地:スペイン

 パイライトは、硫化鉱物で、多くは熱水溶性鉱床中に広く産出し、等軸晶系五角半面晶族に属して、六面体、五角十二面体、八面体などに結晶しやすく、また、粒状、塊状の集合体をなすことが多く、腎臓状、球状などで放射繊維状の構造を示すものもあります。
 色は真ちゅう黄色で、条痕は黒色でわずかに緑色または褐色を帯びます。名称は、ギリシャ語で火の意味のpyrに由来します。

 ベルリンのボーデ博物館前の露天を散策中に発見。8ユーロちょっと高いが形が気に入り購入。六面体が斜めに合体していて不思議な形をしている。芸術家の造形を思わせるが、これぞ自然の造形。自然の美です。

CATWHISKER
燐青銅製探り針

燐青銅線(PBW)、燐青銅を主成分に、錫を3〜9%添加し、燐で脱酸した 三元合金。耐腐食性、耐磨耗性、弾力性がある。
 
探り式鉱石検波器 http://www.crystalradio.net/museum/radios/Halson_Radio_1.html
鉱石は半導体である。逆に言えば、一方向にだけ電気を通すものを作れば、鉱石と同じように検波作用をさせることができる。
 鉱石の場合、自然のままの表面ではうまくいかない。人工的に割って壊した面を使う。たとえば黄鉄鉱の場合、割って得られる貝殻状の結晶の部分を金属のバネで押さえる。その状態でバネの強さや押さえる場所を変えながら、感度の良いところをさぐる。これをさぐり式の鉱石検波と言っている。
 さぐり式の受信方法はかなり手が込んだものになる。検波器の接触圧力を、バネを押さえるネジで加減しながら同調ダイアルを回し、感度の最良点を探す。そのあと再び、検波器を調整するのである。「わが心の鉱石ラジオ」 NHK放送博物館 中田 薫氏 執筆より引用
 
CRYSTAL DETECTOR http://www.crystalradio.net/museum/radios/Halson_Radio_2.html
Halson Radio ガラス管封管式検波器

ドイツ製の子供用クリスタルセットでアメリカ、カナダに輸出された鉱石ラジオ用。

ベルリンの通信博物館でテレフンケンの鉱石ラジオRfe.20を見たが、デザインがそっくり
 
銀河通信社 小林健二氏デザイン Crystal set
紙筒にエナメル(ウレタン)線を巻きつけ製作した鉱石ラジオ、コイルインダクタンス397μH。ツマミは丸棒から切り出して製作 、ニスで塗装し、太鼓釘で固定、コイルの渋い輝き、また一つコレクションに加わった。
 
Crystal
鉱石(方鉛鉱 Galena ガレナ PbS 感度75)を銀と錫を成分とする融点の低い特殊な合金を流し込み固定する。
 
銀河通信社+学習研究社
大人の科学Vol.4ラジオキットの1次コイルをループアンテナとして利用。ワイヤーアンテナ及びアース無しで受信可能。

ループアンテナの計算
L=25355x10E6/f(kHz)^2・C(pF)
f=500kHz,C=300pF
L=290μH

L=0.008an^2(2.303log10a/b0.726+0.2235b/a)-0.008an(A+B)μH

a=方形の一辺の長さ(cm)
n=巻数(T、回)
D=ピッチ(cm)
b=nD(cm)
d=巻線の径(cm)
A=d/D係数
B=nにより定まる係数

ループアンテナ計算式 
a=50cm,b=10cm,350pFバリコン、15.5=16回、ピッチは5から10で11から16巻
 
Germanium Radio
スパイダーコイルとバリコンで同調させゲルマニウムダイオード1N60(40MHz映像検波用ダイオード)で検波する。レシーバはELEGA TR-31

ゲルマニウムは、1886年ドイツのフライブルグ鉱山学校の教授ウインクラー(Clemens A WINKLER)が新元素の抽出に成功し、ドイツ民族を記念してゲルマニウムと命名した。

フライブルグについて
旧市街の中世以来の町並み、黒い森(シュワルツバルト)からの水を引き込んだ疎水、ドイツ有数の美しい町。フライブルグを中心とするバーデン地方は、フランスとオーストリーの影響を受けて、食文化が高度に洗練されている。季節の白いアスパラガス料理(とにかく太い)、黒い森の鱒料理(癖が無い)、“バーデンの雄牛”、“マウルタッシェ”、また時期があえばフェファリンゲなどのきのこの料理をバーデン・ワインと地ビールで・・もう最高です。あー旨かった!
 
Spider-Web Coil Antenna (cobweb)
蜘蛛巻線輪(スパイダーコイル)放射状の枠板にエナメル線をスラロームのように交互に巻き分布容量を軽減する.ベークライトやファイバー製の平面ボビンに奇数本(普通は15本)の放射状の腕がり銅線を巻いていく.
 
Germanium Diode 1S33
 Part Number = 1S33
 Description = Germanium Diode
 Manufacturer = Various
 V(RRM)(V) Rep.Pk.Rev. Voltage = 120
 I(RM) Max.(A) Reverse Current = 350u
 @V(R) (V)(Test Condition) = 100
 I(RM) Max.(A) Pk. Rev. Current = 600u
 @Temp. (°C) (Test Condition) = 70
 I(FSM) Max.(A) Pk.Fwd.Sur.Cur. = 300m
 V(FM) Max.(V) Forward Voltage = 1.0
 @I(FM) (A) (Test Condition) = 4.0m
 I(O) Max.(A) Output Current = 30m
 Package = DO-7
 Military = N
Germanium Diode 1S33 close-up
点接触ダイオード N型半導体の表面にタングステンなどの金属の針状電極を接触させたもの。

高純度のN型ゲルマニウムの単結晶よりなるペレットがカソード側銅線に接続されているプラグの上に取り付けられている。反対側の銅線アノード側に接続されているプラグにはタングステン針が固定されている。この針とペレットが適当な圧力で接触するように固定されて、極めて短時間の大電流を流してN型結晶に一部小さなP型領域を作り対面積の小さいP・N接合ダイオードを作成する。この一連の作業をフォーミングという。
    
セラミックイヤホン (クリスタルイヤホン)  
  クリスタルイヤホンは、圧電体の電極に信号電圧を加えると結晶が機械的に歪む(ピエゾ効果)、その振動を空気振動に変換(transduce)して聞くものである。小型で消費電力が少ないことから鉱石ラジオ、ゲルマニュウムラジオなどに多用された。周波数特性はあまり良くなく、出力は小さい。ここでいうクリスタルとは結晶の意味で水晶のことではない。クリスタル初期のものはロッシェル塩(酒石酸ナトリウムカリウム四水和物)や後期のものは、チタン酸バリウムを用いていた。
 ロッシェル(La Rochel)はフランスの町の名前でこの町の薬剤師セニェット(Pierre Seignette 1660〜1719)がワインの醸造工程で副産物としてできる酒石酸を精製して利尿剤として発売していたことからセニェット塩と言うが、ロッシェル塩の呼び名が広まった。ロッシェル塩の圧電効果が水晶の1,000倍以上の強さを持っていることに1919年ニコルソン(Alexander McLean Nicolson1880〜1950)が注目し、1940年実用化された。
  
耳に入れるイヤープラグを外してあります  
クリスタルイヤホンは正方形のロッシェル塩の振動を対角線上に渡した橋の中間点から延びるアームによって薄い0.1mmのアルミコーン振動板に伝えるという複雑な構造。感度は劣化していなければクリスタルが一番!
ロッシェル塩を用いたイヤホン
   
現在は、セラミック圧電素子が入っているだけの単純な構造。電子オルゴール(電報やクリスマスカード)でお馴染み。セラミックはインピーダンスが低いが耐久性、低音域再生がクリスタルイヤホンより優れている。
圧電セラミック素子を用いたイヤホン
 
♪「鉱石ラジオ」 新居昭乃 http://www.jvcmusic.co.jp/akino/disco/a60721.html
 
鉱石ラジオ ゲルマニウムラジオ